学べること
海の“文化”と“くらし”から明日の社会を考えます。
現代社会は、環境問題、経済不況、戦争、心の荒廃など、国を越えた問題を抱えています。それらの解決にあたっては、今までにない発想力と責任ある行動が必要です。海洋文明学は、文明の広がりと意義を「海と人間とのかかわり」から捉え直し、私たちの生活に本当の豊かさをもたらす未来の文明のあり方を考えていく新しい領域です。海洋文明学科では、海辺のまちや島々の歴史や文化、生活や産業、経済について学んでいきます。
そのためにさまざまな地域を訪ね、遺跡の発掘調査や地元に暮らす人々へのインタビュー調査などを行い、現場体験を通して個性的な考え方や行動力を養っていきます。卒業後の進路には、人々の暮らしを支えていく公務員、地域の歴史や文化の活用を考える観光業、社会問題を捉えるマスコミなどがあります。
カリキュラムは「人文科学」「社会科学」の大きく2つのカテゴリーから構成され、国や地域を越えた文明の広がりを多角的な視点から捉えるようになっています。フィールドワークを学ぶ科目なども多数開講されており、学生一人ひとりの学生が自分の興味や将来の目標に応じて、学ぶ内容を自由に組み立てることができます。
開講授業科目
区分・科目区分 | 構成授業科目・学科目 | 授業科目名 |
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1 現代文明論 | 現代文明論 | 現代文明論1/現代文明論2 |
2 現代教養科目 | 文理共通科目 | 生命と環境/文化と自然/構造と変化/アイデンティティと共生/ 知識とコミュニケーション/テクノロジーと社会 |
体育科目 | 健康・フィットネス理論実習/生涯スポーツ理論実習 | |
3 英語コミュニケーション科目 | 英語コミュニケーション科目 | 英語リスニング&スピーキング1/英語リーディング&ラィティング1/ 英語リスニング&スピーキング2/英語リーディング&ライティング2 |
4 主専攻科目 | 学部共通科目 | 海洋学概論/海洋実習1/海洋実習2/海洋環境総合演習/ 自然を観る眼(基礎)/自然を観る眼(物理学)/自然を観る眼(化学)/ 自然を観る眼(生物学)/数を観る眼/文章表現/歴史を見る眼/ 社会を見る眼/情報処理実習1/情報処理実習2 |
専門基礎科目 | 海洋文明学入門ゼミナール/海洋文明学概論/海と人の歴史/人類学/ 海洋考古学1/海洋考古学2/経済学/国際法と海洋法/海洋政策論/ 地球環境の危機/キャリアデザイン1/キャリアデザイン2 |
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専門科目 | 海洋文化の伝統と創造/海域文化史/海域世界の生活誌/ 海洋文化と資源管理/海洋文化の表象論/沿岸社会と産業/ 海洋社会と国際関係/日本の海業/海洋コミュニティ論/ 海の観光と社会創造/環境ボランティアとNPO/ 海洋文化財調査法/ 歴史資料論/生活文化調査法/民族誌論/海洋生態系の保全/ 海の自然観察実習 |
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総合科目 | 海洋文化演習1/海洋文化演習2/海洋社会演習1/海洋社会演習2/ 海洋文明学演習1/海洋文明学演習2/海洋文明学研究計画/ フィールドワーク基礎演習/海洋実習3/海洋文明学ゼミナール/ 海洋文明学研究 |
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5 自己形成科目 | 主専攻発展科目 | 海洋ジャーナリズム論/海洋基本法と社会構築/海洋安全保障論/ 離島政策と国境問題/国連海洋法条約と国際社会/海の利用と国際協力/ 都市の災害と対策/海洋思想史/島嶼芸術文化論/フィールドワーク演習 |
- ※その他、海洋フロンティア教育センター開講科目、第二外国語・スポーツなどの大学共通科目などがあります。
- ※セメスター制度…半年間で授業が完結する制度。
科目選択の自由度が増す。/ 集中的に単位を修得できる。/ 資格取得や留学が容易になる。/ 不合格科目の早期リカバリーが可能。
主な授業科目
海域文化史 |
この授業では「海域世界」の文化や人々の交流、あるいは移住や植民、海上交易の歴史について紹介する。 具体的には日本をふくめた東アジアや東南アジア、そして太平洋にひろがるオセアニア海域における海域文化とその歴史を、 人類史的な視野から検討する一方、各海域を越えて広まっていった文化の諸相を探るに当たり、「食」の文化史にも着目していく。 |
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人類学 |
この授業では「人類学」をテーマに、「人類学」の研究分野として知られる文化人類学、社会人類学、自然人類学(形質人類学)、 そして考古学の方法論や研究史について紹介したうえで、それぞれの分野における最新の研究成果やさまざまな研究トピック、 興味深いテーマについて選択的に紹介し、人類学から分かることや人類学のもつ意義や面白さについて論じる。 |
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海洋文化と資源管理 |
この授業では、北や南の海の海洋文化と資源管理について、捕鯨問題やマグロ利用、サメ資源の枯渇に関する問題、 東南アジアのサンゴ礁海域で行われているダイナマイト漁や毒漁といった事例を紹介し、これら現在進行形で未解決となっている 海の文化や資源利用の在り方について検討していく。 |
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海洋考古学 |
琉球列島、太平洋諸島の遺跡や遺物について この授業では海洋考古学を、「海を舞台とした人々の歴史や文化を対象とした考古学」としたうえで、その具体的な調査方法やおもな研究テーマについて、 最新の成果を交えながら紹介していきます。この授業で論じる海と人との歴史は人類が誕生して以来、現代に至るまでの時間幅であり、 この数百万年間にわれわれ人類が海とどのように付き合ってきたのかについて、これまでの海洋考古学による研究成果を踏まえつつ多角的に考えて行きます。 |
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海と人の歴史 |
海を舞台にした「世界史」の講義 東アジアの長い歴史を見ると、海は文物の伝道海道であり、海を媒介とした東アジアの世界は、中国文明とその周辺という構図で捉えることができる。 中心の中国文明とその文化的影響をうけた周辺地域の実態は、いわば「東アジア地中海」とも呼ぶことができ、文化的特色の類似性が形成されたのには海が媒介になっていることはいうまでもない。 この海域をめぐる海と人の関わりについて、歴史学、考古学、民族学などの観点から考えていくことにする。また、海洋学の発展の歴史をふりかえり、その上で海洋環境等に関連した条約等を取り上げ、 海と人との関係性のあり方について、課題を考察する。 |
国際法と海洋法 |
この授業では、国際法、特に海洋法に関する基本的な知識と理解を得ることを目的とする。 海洋に関する諸課題は、一国では解決できない。近年、海洋権益をめぐる各国の主張の対立、海洋環境の保全など、国際社会が一体となって取り組むべき課題が多数存在している。 このような諸課題について、国際法の観点からどのように対応すべきかを考える。 |
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海洋実習3 |
東海大学の海洋調査研修船「望星丸」に乗船し、清水とは異なる自然環境や文化、歴史を持つ地域を訪ね、研修を行う。 海に関わり深い水産業やエコツーリズム、史跡などについて、地域住民の方々とも交流しながら現場体験を通して学んでいく。 あわせて海洋観測、船内研修を実施する。これまでの研修先は根室、奄美諸島、別府、熊野など。 |
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海洋政策論 |
この授業では、海洋の持続可能な開発と環境保全の実現を目指した、海洋の総合的な管理に関する基礎知識を解説する。 海洋に関する自然科学、産業活動、法制度や社会構造などを理解した上で、海洋政策とは何かを考え、同政策の果たしている役割、海洋国家日本の未来を思い描く。 |
日本の海業 |
沿岸地域の新たな挑戦を考える 漁村ツーリズムや水産物の流通、漁村へのUJIターン等の活動は、漁業や漁村の地域資源を活用した水産地域の振興を図るための手法の一つです。 この授業では、全国の水産地域において試行され始めている漁業を核とした内発的産業興し(海業)について、その現状と課題を捉えるとともに、 これらの取り組みによる水産地域のまちづくり計画を立案するための知識と技術を学びます。 |
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海洋社会と国際関係 |
海の利用をめぐる国際社会の課題と取組み 海賊問題、漁業資源管理や環境問題など海洋の諸問題に対処していくためには、国際的な取組みが不可欠です。 一方では、海洋は各国の利害や政治的意図が交錯する場でもあります。 この授業では、海をめぐる国際的な対立や緊張の実態に迫り、日本がとるべき政策的対応について考える。 |
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