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教員紹介

植原 量行

植原 量行 (うえはら かずゆき)



教授・博士(水産学)

 

専門分野 海洋物理学
研究テーマ・研究課題 大気海洋相互作用を通して海洋はどのように運動しているのか?
研究内容 近年、海洋表層に引き起こされる乱流は、伝統的な海面からの密度フラックスし運動量フラックスだけではなくて、著しい水温の水平勾配で特徴づけられる海洋前線の存在が本質的に重要である可能性が指摘されています。 この海洋前線に沿って風が吹くと、地球自転によって、海洋前線のジェットが不安定を起こして乱流エネルギーを引き出すということのようですが、真相はまだよくわかっていません。 北太平洋中緯度海洋には、亜熱帯循環の黒潮続流と亜寒帯循環の親潮続流があって、極めてシャープで大きなスケールの海洋前線が存在します。 さらに、中規模渦やストリーマといった比較的小さな空間スケールの海洋前線もたくさん存在します。 これに加えて、冬季には、たくさんの移動性低気圧がやってきます。 したがって、北太平洋中緯度における大気海洋相互作用は、この海域の海洋表層水塊過程にとって極めて重要で、かつ、日本の気象・天候、ひいては地球規模の気候変動に大きな影響を及ぼすと考えられています。 このような背景から、私たちは、北太平洋中緯度海洋の混合層の形成・再成層過程の解明を目指して研究しています。

主な担当授業科目 物理海洋学、データ処理とシミュレーション、海洋地球物理学実験、海洋実習
所属学会 海洋学会、海洋気象学会、水産海洋学会、アメリカ地球物理学連合
主な論文・著書 ・「Absolute Volume Transports Referred to Mooring Current Meter Data Crossing the OICE」J.Oceangr. , 60, 397-409, 2004
・「Direct measurements of dissipation rate of the turbulent kinetic energy of North Pacific subtropial mode water.」Geophy.Res.Let., 35, L05601, doi:10.1029/2007GL032867, 2008
研究室について 植原研究室では、海洋観測船で海の赤裸々な姿を精度良く観測し、取得したデータの解析を通して大気と相互作用する海洋表層がいかにしてその特性を獲得するか?」 という表層水塊の形成・変質過程について研究し、地球変動シナリオに対する海洋の役割について考えています。
受験生へのメッセージ 生きることは失敗とチャレンジの連続です。試行錯誤は明日への糧となります。 自然科学の理解、特に海で起こっていることを理解しようとする試みは、まさに生きることと同じです。 私達と一緒に海について、生きることについて考えましょう。
研究室ホームページURL http://kutty.og.u-tokai.ac.jp/~ueharak