学べること
かけがえのない地球を次世代に引き継ぐために、海と地球を科学します。
地球環境問題の解決、そして海洋及び地球の持続的な利用と共生は人類にとって急務の課題です。 本学科では、海洋学と地球科学を基盤として、フィールド実験と体験型学習を実践しながら、地球環境や資源・エネルギーを理解するための探究心と洞察力、行動力を備えた人材の育成を目指します。
まず、海洋や地球を学ぶための基礎となる生物、化学や物理、地学や数学などの理数系科目をしっかりと修得します。
専門科目では、海洋学や地球科学などの複数の分野にまたがる知識や技術を学ぶとともに、科学的な思考方法と実践力をゼミナールで身につけていきます。地球環境問題、資源の持続的な利用など、今日多くの人々が「海と地球」に関心を向けています。海洋地球科学科で学ぶ知識と技術、科学的な思考方法と実践力は、必ずや社会、また日々の生活に活かされることでしょう。
「海と地球を科学する。」そのためには、見ること、感じること、考えることが必要となります。 海洋地球科学科では、フィールド実験や体験型実習・実験を多数取り入れ、海と地球システムを分かりやすく理解するための科目が用意されています。 また、教職課程と学芸員課程が設けられています。
開講授業科目
区分・科目区分 | 構成授業科目・学科目 | 授業科目名 |
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1 現代文明論 | 現代文明論 | 現代文明論1/現代文明論2 |
2 現代教養科目 | 文理共通科目 | 生命と環境/文化と自然/構造と変化/アイデンティティと共生/ 知識とコミュニケーション/テクノロジーと社会 |
体育科目 | 健康・フィットネス理論実習/生涯スポーツ理論実習 | |
3 英語コミュニケーション科目 | 英語コミュニケーション科目 | 英語リスニング&スピーキング1/英語リーディング&ラィティング1/ 英語リスニング&スピーキング2/英語リーディング&ライティング2 |
4 主専攻科目 | 学部共通科目 | 海洋学概論/海洋実習1/海洋実習2/海洋環境総合演習/ 自然を観る眼(基礎)/自然を観る眼(物理学)/自然を観る眼(化学)/ 自然を観る眼(生物学)/数を観る眼/文章表現/歴史を見る眼/ 社会を見る眼/情報処理実習1/情報処理実習2 |
専門基礎科目 | 海洋地球科学入門ゼミナール/線形代数入門/微分積分/基礎微分積分/ 力学入門/多変数の微積分/物理学/物理学実験/化学/生物学/ 生物学実験/地学/地学実験/微分方程式/確率統計学 |
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専門科目 | 海洋地球科学概論/地球環境科学/分析化学/分析化学実験/応用数学/ 海洋計測/物理海洋学/生物化学海洋学/固体地球物理学/古生物学/ 海洋地質学/岩石鉱物鉱床学/海洋の資源とエネルギー/海洋気象学/ 地球流体力学/地球化学/環境微生物学/資源エネルギー探査法/ データ処理とシミュレーション/資源開発システム学/海洋地球物理学実験/ 生物化学海洋学実験/海洋地質学実験/資源開発学実験 |
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総合科目 | 海洋地球科学実験/海洋実習3/海洋地球科学課題演習/ 海洋地球科学特論/海洋地球科学ゼミナール/海洋地球科学研究 |
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教職・資格関連科目 | 理科教材論/理科教育法1/理科教育法2/測量学/測量学実習 |
- ※その他、海洋フロンティア教育センター開講科目、第二外国語・スポーツなどの大学共通科目などがあります。
- ※セメスター制度…半年間で授業が完結する制度。
科目選択の自由度が増す。/ 集中的に単位を修得できる。/ 資格取得や留学が容易になる。/ 不合格科目の早期リカバリーが可能。
主な授業科目
地球環境科学 |
地球環境を学んだ上で、地球と人間の関わりを考えよう
地球は、大気、海洋、地圏及び生物圏のサブシステムから構成される巨大なシステムです。
これらサブシステムは互いに影響し合い、さまざまな時間的空間的スケールで変動しながら地球の環境を形成してきました。
本授業では、地球表層のサブシステムについて概説し、人類は地球や海洋から、地球及び海洋は人類から、常に影響を受けていることを理解した上で、
顕在化する地球環境問題の実例を取り上げながら地球と人間との関わりについて考えていきます。
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海洋計測 |
海を「測る」意味と手法を学ぶ
海が蓄えている膨大な水は地球全体の気候を制御する最大の要因です。
海の水の水温、塩分、流れの微細な変化が大きな気候変動を引き起こします。
このような海の水の持つ物理的・化学的な特徴の平均的な値とその変動幅について示し、
観測船やブイを使って実際にこれらの特徴を計測するための装置・方法とその精度を、実際の観測結果を例に述べます。
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分析化学 |
「地球」と「海」を化学的に「測る」手法を学ぶ
私たちの住む「地球」、その71%の面積を占める「海」は、どのように誕生したのでしょうか?
また、そこにある岩石・鉱物や地層、地球を取り巻く海や土壌、大気、またそこに生息する生物はいつどのようにできたのでしょうか?
この答えは、地球や海から採取した石ころや土、生物や水や大気などの「試料」を精確に「測る」ことで見つかります。
「試料」中の「化学成分」は、それら「試料」が語りかけているわずかなささやきの代弁者です。
本授業では、「海」や「地球」を構成する物質の種類や量を化学的・物理的に「測る」ための基礎と手法を学習します。
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物理海洋学 |
海洋の物理量の意味とその観測の意義を学ぶ 海洋の基本的な物理量である圧力、水温、塩分などを定義し、それらの水平分布、鉛直分布そして時間変動について大気海洋相互作用の視点も含めて議論します。 物理海洋学は伝統的な船舶による現場観測や人工衛星によるリモートセンシングなどによる海の観測からすべてが始まるので、これからの基本的な物理量をどのように観測し何がわかるのかについて学びます。 |
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固体地球物理学 |
地球史や地球の変動を通して地球システムを学ぶ
現代の地球科学は、プレートテクトニクス成立以降に目覚しい進歩を続けており、
人工衛星の汎地球的な観測技術の発展により従来では想像もできなかった精度での地球の各種変動の観測が可能となっています。
本授業では、これらの事実を踏まえて、地球史、比較惑星学、地球回転、地震学等の主要な理論を解説し、地球の進化、
地表及び地球内部の変動を学習することで、システムとしての地球の理解を深めます。
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海洋の資源とエネルギー |
日本近海に眠る新たな海底資源・エネルギーを学ぶ
人類の共有財産である海底資源の「マンガン団塊」、「海底熱水鉱床」、「メタンハイドレート」及び「海底油田」等を、地球環境を保ちながら開発・利用することが、これからの我々に課せられた問題です。
本授業では、探査・開発技術である Marine Geo-Technologyと資源開発に関連した地球システムの諸分野である Marine Geo-Science について概説し、
海底資源の開発・利用に向けた一連の知識を習得していきます。
また、同時に海洋資源・エネルギー政策や自然エネルギーとしての海洋エネルギーについても触れます。 |
海洋気象学 |
海洋と大気相互の関係を通して気候変動の仕組みを理解する
地球規模に起きる気候変動の要因として、海洋が重要な役割を果たすと考えられます。
その仕組みの理解には、大気と海洋の間で熱やエネルギー等がどのように移動し、地球環境の変化に関係しているかを理解することが重要です。
本授業では、大気と海洋それぞれの特性を比較すると共に、互いに関係し合う海面を通しての熱や運動量の輸送過程について、
実際の観測資料による導出方法を交えて解説し、大気―海洋系でのエネルギー輸送の実態や気候変動への役割について理解を深めます。
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海洋地質学 |
海底の成り立ちやそこでの諸過程を学び資源の開発に向けた基礎を理解する
海底の資源への関心が高まっています。
最近の調査により日本近海での豊富な鉱物資源やエネルギー資源の存在が明らかになってきました。
熱水鉱床、メタンハイドレート、これら海底のある資源を海の生態系や海洋環境への影響を配慮しつつ開発することが重要です。
海洋地質学では海底資源の開発や海洋開発の基礎となる海底の地質学を学びます。
大陸棚などの浅海の海底環境、地震や火山など大陸縁辺海域での地質現象、そして、大洋底の地形や地質構造、海底が生まれる中央海嶺、海底が沈み込む海溝、
そびえ立つ海底火山や中央海嶺の地殻構造や成因、海洋の発達史、さらに、重金属資源、マンガン団塊など海底の資源の分布や鉱床の成因について学びます。
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資源エネルギー探査法 |
海底資源探査の原理と技術を理解する 海底下に眠る新しい新エネルギー(メタンハイドレート・熱水鉱床など)を効率よく探す、または埋蔵量の評価をするための物理探査手法について展開します。 最近では、二酸化炭素を枯渇した油田に封入できないかという実験も行われ、地下の様子を長期にわたってモニタリングする技術も必要になってきています。 これらの技術には、物理探査技術が不可欠で、本授業ではその手法について議論を行います。 |
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生物化学海洋学実験 |
植物プランクトンを通して海と地球のCO2問題を理解する
海では微細な植物プランクトンの光合成が、海の生態系の礎であり、海の物質循環の原動力となっています。
また、地球温暖化などの地球環境問題は、海の生態系にさまざまな変化を与えつつあります。
本授業では、「地球環境科学」、「生物化学海洋学」、「物理海洋学」、「分析化学」、「分析化学実験」などの専門の講義・
実験科目の知識をベースに微細な藻類の培養を通してその成長過程を調べます。
また、海水中の酸素、二酸化炭素や栄養塩を測定し“海を知り測る”手法と解析法を学びます。
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地球化学 |
「化学」を通して「地球」と「海」を理解する
海水が塩辛いことは誰でも知っていることです。
それは海水に様々な化学成分が溶解しているためです。では、なぜ地球には塩辛い海水が存在しているのでしょうか。
海の生きものを育む海洋はどのようにして今日の姿になったのでしょうか。
その学びのなかに、将来の地球温暖化、あるいは気候変動と密接に関係している海洋の存在に気がつくことでしょう。
その仕組みを解き明かすことによって、ひょっとして将来忍び寄る地球温暖化の脅威を和らげる方法が見つかるかもしれません。
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地球流体力学 |
地球の回転によって生じる海洋と気象の特徴的な現象を理解する
地球は丸くて回転しています。この2つの性質は、海洋や気象におけるいろいろな現象に大きな影響を与えています。
例えば、黒潮が八丈島の北側を流れているか、南側を流れているかで、八丈島の水位が1m近く変化することにも地球の回転が関係しているのです。
本授業では、回転系での運動方程式を導出するとともに、実際の現象に対しては、どれだけこの式を簡単にできるのかを解説します。
そして、出来るだけ簡単にした式を用いて、回転流体に特徴的な現象に対する理解を深めます。 (図の説明:色は海面の高さに似た値を表わします。また、色が急に変わるところは流れが速いところです。 そこで、この図から黒潮の位置(黄色い線)がわかります。この時には八丈島の北側を黒潮は流れています。) |
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岩石鉱物鉱床学 |
地殻を構成する岩石の特徴や海底での鉱物の生成過程を理解する 地殻は火成岩・堆積岩・変成岩から構成されています。 これらの岩石の諸特徴を示し、地球の成り立ちについて解説します。 さらに近年話題になっている海底熱水鉱床と海底火山活動に関する最新の研究成果を海底観測手法も取り入れ解説します。 |
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資源開発システム学 |
海底資源・エネルギーの開発システムを理解する
我が国の領海・排他的経済水域内には、「メタンハイドレート」「海底熱水鉱床」「コバルトリッチクラスト」「レアアース」など多くの新しい海洋エネルギー・鉱物資源が存在しています。
本授業では、海底資源開発ならびにその開発システムを設計するための基礎となる地盤工学ならびに油層工学などの応用力学と、
海洋エネルギー・鉱物資源を掘削、分離、回収するためのハンドリング技術という観点から粒状体工学を学びます。
また、これらをコンピュータで解析するための数値解析技術の基礎を学び、資源開発法あるいは資源開発システム(機械装置)へ展開していくための方法の理解と習得を目指します。 (資料提供:(独)産業技術総合研究所) |
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