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学べること

海と人の豊かな共生のために海洋生物と環境を学びます。

海洋生物学科は専門基礎科目などの基礎知識の習得、水圏生物科学、水圏保全科学という2つの科目群を柱に、海洋生物の行動や生態、水族の環境保全、海の生物資源の活用などを実践的に学んでいきます。
また、大型海洋動物の知能や食性、自然環境保護、海洋公園といった特色あるテーマについて幅広く学ぶと同時に、これらの知識を礎に中学・高校の理科教員の養成も行います。


カリキュラム

海洋生物学科は、水圏生物科学、水圏保全科学、総合科目、教職科目などの科目群から構成され、 興味の対象、将来の目標に合わせた科目の選択が可能です。

2017年度以前のカリキュラム

2018年度以降のカリキュラム

主な専門科目

魚類学、魚類学実験
まずは本で学び、次に実際に手にとって、魚類に関する基礎的知識を習得する
多様で変化に富む魚類について、形態・系統・進化・生理・生態・食性・分布・発生・生活史・行動生態 などを学びます。次に、実際に魚を一人ずつに配り、外部形態・体各部の計測と計数・解剖・内部形態 ・骨格・スケッチ・種査定などを実習します。
海洋動物の行動生態
海洋動物の優れた適応能力を学ぶ
海洋動物は長い進化の過程で環境に適応し、さまざまな生理機能や行動を発展させています。 たとえば、敵や餌生物の目を欺いたり驚かせたりするカモフラージュのほか、 縄張りや共生といった行動などがあります。それらがどのようなメカニズムで発現するのかは 興味あるテーマで、そこにはさまざまな感覚系や神経系が関係しています。 この講義では、魚類のそのような行動の特性とメカニズムについて概観するとともに、 知的動物である海獣類に関して、社会行動や知能の特性についても紹介します。
海洋生物管理保全論
生物資源の適切な利用と保全が共生につながる
海の生態系には、グローバルな人間活動が多大なインパクトを与えています。 ヒトは、生物資源と共生できるのでしょうか?問題は大規模ですが、まず「仕組み」を理解しましょう。 生物資源の「乱獲」は子供の減少が長期間続くことが問題の核心です。生き物には繁殖する力があります。 親の数を適切にコントロールすれば、ヒトは資源と持続的に付き合うことができます。 この科目では、資源変動の大元にある、生物個体群の繁殖、再生産、成長、死亡など、 仕組みを捉える考え方を学びます。
大型海洋動物
海洋の高次捕食者の生活を学ぶ
海洋の生物生産は光合成を行う植物プランクトンを土台に、それを捕食する動物プランクトン、 さらに小型の魚類などの食物連鎖によって成り立っています。 その頂点に位置するサメ類、鳥類、鯨類などが生物生産のバランスを保つ一端を担っています。 この講義では鯨類を除く大型の海洋動物の生態系における役割を理解するために、 それらの形態的・生態的特徴を生活史に絡めて学びます。
沿岸生態調査実習
小型舟艇を使って野外実習を行う
小型舟艇「北斗」や「南十字」を使って三保半島周辺で海洋観測のほか プランクトン、ベントス、ネクトンを採集する野外実習を行います。 また、採集した標本を使って分類や生態学的データの取り方の実習、 さらにはデータを使って成果の発表にいたるまで、研究に必要な一連の事柄を 実習しながら学びます。
海棲哺乳類学
海に戻った哺乳類の真の姿とは
かつては陸上で暮らしていながら、はるか太古、再び海に戻っていった海獣たち。 彼らは独特の進化の過程を経て、水中生活にたくみに適応しています。 また、そこには複雑な社会行動やコミュニケーションもみられています。 この講義では、イルカやクジラなどの鯨類、アシカ、アザラシといった鰭脚類、 ジュゴンやマナティーなどの海牛類、ラッコ、ホッキョクグマを対象として、 その生物学的特性を概説します。彼らの生物としての変遷、冷たく深い海に耐えうる生理的機構、 さまざまな知的で複雑な生態などはとても神秘的です。
プランクトン学
生態系に欠かせない生き物とその役割を学ぶ
プランクトンとは、「水中に浮遊して生活し、運動力が無いか小さいために、 海水の流れに逆らって移動することが出来ない生物」のことを指します。 つまり、プランクトンとは「浮遊している」という生活の様態を表す言葉であり、 1ミリメートルの千分の1にも満たないバクテリアから、数十メートルになるクラゲの 群体まで多種多様な生物が含まれます。プランクトン学では、これら生物の形態や生態、 海洋の中で果たしている役割について学びます。
分子生態学
分子生物学と生態学の接点を学ぶ
近年、急速に発展した分子生物学の手法は、生態学のようなフィールド研究へも 積極的に応用されており、これまでアプローチではわからなかった海洋生物の生態学的特性が 次々に明らかになってきています。この講義では、生態学におけるDNA情報の活用法を概説した上で、 DNA情報を上手く利用することが、フィールド調査の難しい海の生き物の繁殖生態や摂餌生態の 解明につながるということを学びます。
ベントス学、海洋生物学実験
不思議な体構造の仕組みや機能を学ぶ
ベントス学では海草藻類やエビ・カニ類、多毛類、二枚貝類などベントス(底生生物)の 分類学的位置付けや生態的・形態的特徴、繁殖様式などの基礎知識を学びます。 これらの知識を背景に、実験ではベントスを中心に解剖・スケッチすることにより、 体構造の仕組みや形態的特徴などを調べ、進化の過程で何故このような体構造などに 変化したかなどを学びます。
海洋実習3
世界遺産に登録されている自然豊かな小笠原父島周辺海域での生物と環境の調査実習
小笠原諸島は東洋のガラパゴスと称されるほど特異な自然環境を持つ地域です。 その周辺海域には鯨類をはじめさまざまな海洋生物が生息しています。 1週間の乗船を通してイルカやクジラの探索、ネットや漁具を用いた深海生物採集、カツオ、 マグロや底生魚などを対象とした釣りなどの生物採集などを行うとともに、 これらが生息する海洋環境調査などを行います。また父島にも上陸し、ダイビングや ドルフィンスイムなど各自で計画した自然観察を行います。