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教員紹介

大泉 宏

大泉 宏 (おおいずみ ひろし)



教授・博士(農学)

 

専門分野 海洋生態学
研究テーマ・研究課題 高次捕食者の生態学。特に被捕食関係を通じた種間関係について。
研究内容 鯨類やサメ類の食性や生態についての基礎的研究と、漁業と高次捕食者の競合関係を緩和するための研究を行っています。 日本沿岸には多くの鯨類やサメ類が生息しています。 その中でもハンドウイルカやコビレゴンドウ、ツチクジラなどのハクジラ類は小型捕鯨やイルカ漁業で漁獲対象種ともなる一方で、一部の種は釣り漁業などの漁獲物を横取りする漁業との競争者でもあります。 サメ類も同様に漁獲対象種であるとともにヒトとの競争者でもあります。 海洋の高次捕食者である彼らは生態系で重要な役割を果たしていると期待される一方で、再生産力に比較的乏しく、生態学的には動的に脆弱な種とされています。 彼らを保全しながら海の資源を持続的に効率よく利用していくためには、彼らの生態的地位や行動的特性を理解した上で保全や資源利用を図っていく必要があります。 私は、そのために胃内容物分析を主要な手段とした食性の分析を通し、海洋の高次捕食者の生態的地位を出来るだけ詳しく明らかにしようとしています。 また、漁業との競争回避のために役立つツールやノウハウの開発も産官学共同で行っています。

担当授業科目 基礎生態学、海洋生態学、沿岸生態調査実習
所属学会 日本水産学会、日本哺乳類学会、The Society for Marine Mammalogy
主な論文・著書 ・「Feeding habits of Dall's porpoises (Phocoenoides dalli) in the subarctic North Pacific and the Bering Sea basin and the impact of predation on mesopelagic micronekton.」Deep Sea Research I 50, 593-610. 2003
・「Differences in stable isotope ratios of Dall's porpoises (Phocoenoides dalli) between coastal and oceanic areas of the North Pacific.」Fisheries Oceanography. 19, 257-261. 2010.
・「日本近海における鯨類の餌生物」「鯨類学」 P.197-237. 東海大学出版会 2008
研究室について 普段は主に卒業研究を行う学生と大学院生計10人と共に研究を行っています。 実験室では学生が標本を処理し、研究室では各種のデータを分析しています。 ゼミでは通常は週2回のペースで行い、各学生から関連するテーマの論文紹介や各自のデータを持ち寄っての検討会を行っています。 また、学会発表や卒業研究発表前には徹底的な発表練習を行い、論理的な思考やプレゼンテーション技術の向上を図っています。
主な卒論のテーマ 「八丈島周辺におけるハンドウイルカの鳴音による検知技術の開発―最適な検知パラメータの検討―」、「八丈島周辺における黒潮流路の変化とサメ類による漁業被害発生の関係」、 「釧路沖におけるシャチの音響行動による空間認識」、「西部北太平洋におけるマッコウクジラの食性―ゴマフイカ科の出現と海洋環境の関係―」、 「駿河湾深海底におけるスカベンジャーの出現特性について―水深による出現生物の変化と摂餌の様式―」、「スジイルカの心臓における刺激伝導系の走行―主要経路の肉眼解剖と洞房結節の組織学的観察―」、 「北海道南西沖日本海におけるツチクジラの食性」、「紀伊半島沖における小型歯鯨類の食性」
受験生へのメッセージ 海の生態系は魅力あふれた生物と謎に満ちています。そして人はその海に多くのものを頼って生活しています。 海の自然を守りながら人々が生きて行くにはどうしたら良いのでしょうか。私たちに今できることは色々あるはずです。 しかし、将来の事も見据えて人と海が共存していくためには、その海をもっと良く理解するための努力が必要です。 未来の事を考えながら一緒に海や生物の研究を進めていきましょう。