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2021.02.25

卒業研究の実験に用いる野生魚と飼育魚(前編)

 庄司研究室では、生理学的・行動学的実験の材料として主に魚類を用いています。ほとんどの実験魚は、種によって野生魚か飼育魚(養殖魚)かのどちらかに分かれます(ニホンウナギやサケ科魚類等は両方使います)。以下に、今年度の卒業研究で用いた野生魚(ウツボ)と飼育魚(熱帯魚)の例をご紹介します。

 2018年度から、ウツボの嗅覚行動と共生というテーマで研究をおこなっています。実験に用いるウツボは、海洋学部のある三保半島の先端近くにある離岸堤周辺で、大学の船を使って自分たちで捕獲しています(写真1, 2)。新型コロナ禍の影響で研究活動は様々な影響を受けていますが、野生魚を使った実験にはこのような捕獲作業は不可欠であり、船舶スタッフの力を借りて事故や感染への細心の注意を払いながら作業をおこなっています。
 本年度は、2018年度に見出したクリーナーシュリンプの匂いに対してのみウツボが示す“口を大きく開けっ放しにする行動”のデータを補完することを目的として同じ実験をおこないました。その結果、スザクサラサエビおよびアカシマシラヒゲエビ(ともにクリーナーシュリンプ)の匂いに対して、ウツボはやはり口内をクリーニングしてもらっているような行動を示しました(写真3:スザクサラサエビの匂いに対する行動)。
 畜養中は水槽中に塩ビパイプを入れて定位させ(写真4)、餌としてマアジやサンマ等の魚肉を与えました。ところで、この水槽中にイセエビを数尾いっしょに飼っていましたが、ウツボはイセエビには全く興味を示しませんでした。ウツボは、イセエビを狙って近寄るタコ類を好んで捕食するためイセエビは食べないという話もありますが、それは本当かもしれません。
 行動実験が終わったウツボは、三保半島の先端の浜辺(捕獲した離岸堤付近からなるべく近く:写真5)から放流しました(写真6, 7)。今年度は、新型コロナウィルスの影響でなんだかすっきりしない毎日でしたが、写真5のようなところで富士山を眺めながら仕事をしていると、そういうことも忘れそうになります。
(庄司隆行 教授)

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