2007年度
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第一回目
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5月23日(水曜日)
齋藤俊郎 先生 (海洋生物学科)
三保半島周辺に生息するトゲモミジガイの生態と毒量
1979年、清水駒越でボウシュウボラ(巻貝)摂食によるフグ毒中毒事件が起こった。これをきっかけとして、本種巻貝の毒化原因餌生物の一つがトゲモミジガイ(フグ毒保有ヒトデ)であることが解明された。このヒトデは三保半島周辺に生息しているが、生態については殆ど分かっていない。
そこで今回、トゲモミジガイの毒化機構解明の一環として、本種ヒトデの生態さらには毒量について若干の検討を行った。その結果、このヒトデは昼は深場に生息するが、夜間浅瀬に移動し索餌していることが分かってきた。
また、本研究では海洋地質の専門家(根元教授)の協力を得、高精度海底地形探査法を用い、トゲモミジガイの生息海域を三次元的にビジュアル化することに成功している。当研究室では日頃、海洋学部の特徴を生かした研究、すなわち、ある海洋現象のより多面的観点からの解明も目指しているが上記研究はこの一つでもある。
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第二回目
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6月27日(水曜日)
石井 洋 先生 (清水教養教育センタ−)
淡水性ラン藻が生産する肝臓毒素の分解に関する研究
日本各地の富栄養化した湖沼などでプランクトンが大量発生し、アオコと呼ばれる現象が水面上でよく観察される。アオコの優占種となるラン藻類のミクロシスティスやアナベナは、細胞内で肝臓毒素を生産する。特に国内では琵琶湖,諏訪湖,霞ヶ浦などで頻繁に大発生することが知られている。そのため、それらの水源を利用する我々人間は常にその脅威に曝されており、早急に対処する必要がある。
そこで本研究では、肝臓毒素ミクロシスチンの生物学的な浄化方法を確立するため、ミクロシスチンを分解するバクテリアの分離と分解特性についての検討を行なった。
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第三回目
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10月24日(水曜日)
重村勇作さん(水産学科増殖過程卒業 上野研究室M2) 駿河湾のサンゴ礫地におけるオイランヤドカリの宿貝
静岡県沼津市久連地先のサンゴ群集では1996年の低水温によってエダミドリイシAcropora tumida が死亡して衰退したことにより,群集内にマガキガイが加入した.その後死亡したマガキガイStrombus luhuanus の大型個体の空殻が蓄積し,これを宿貝とするヤドカリ類では,オイランヤドカリDardanus lagopodes の利用率が最も高いことが明らかにされた.
そこで本研究ではオイランヤドカリのサンゴ礫地に蓄積したマガキガイの宿貝としての利用について明らかにすることを目的とした.
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第四回目
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11月28日(水曜日)
渡邉晋也さん(海洋土木工学科卒業D3)
コンクリートと出会って6年目・・・
海洋学部なのになぜ「コンクリート」???と思う人の方が多いと思います。私がハマって6年間研究に没頭したコンクリートの魅力について解り易く話をしたいと思います。この話を聞けば、海洋学部とコンクリートの関係が見えてくるはず・・・。
また、海洋学部ならではのコンクリートの研究を紹介したいと思います。特に生物系などなど。
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