IMAGE-SEED



2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年


Link





2005年度
第一回目
5月17日(火)
  藤川俊秀さん (海洋土木工学科M2)
  折戸湾貯木場の堆積土の汚染について

 静岡市は平成17年4月より政令都市となりました。そのため、新たな都市計画も重要であり、清水港および折戸湾の高度利用が望まれています。そこで研究として、折戸湾の将来的利用を想定して、折戸湾総合環境調査を行いました。本報告は、そのうち底質環境について調べた結果を報告します。

第二回目
6月7日(火)
  釘宮秀友さん (地球環境工学科M1)
  2000年度、有明海に発生した珪藻赤潮に関する一考察

 近年、内湾で発生する赤潮は環境・漁業保全上非常に大きな問題となっている。有明海も例外ではなく赤潮の被害にあっている。特に2000年度、冬季に発生した赤潮の影響は大きかった。このとき発生した赤潮は珪藻赤潮で優占種が外洋性の大型珪藻類『Rhizosolenia imbricata』,『Eucanmpia odiacus』で、栄養塩が枯渇しても、赤潮が長期間発生し続けるという特徴があった。この赤潮発生の原因は有明海の湾奥に存在する諫早湾の締め切りによる流動の変化と、有明海の富栄養化によるものとされている。しかし、有明海で発生した赤潮の原因が富栄養化と海流の弱まりに由来するのなら、なぜ栄養塩が枯渇しても、赤潮が長期間発生し続けたのだろう。また、優占種が本来外洋において優占種となる大型珪藻類ではなくても良いのではないか。と言う疑問がのこる。そこでなぜこのようは赤潮が発生したのかをモデルを用いて考察を行った

第三回目
6月21日(火)
  太田 良巳さん (海洋土木工学科M2)
  地震断層近傍における地震動および永久変形について

 地震断層によって地盤の振動や地表面の変形が引き起こされ構造物などが様々な被害を受けます.1999年の台湾・集集地震,2003年の宮城県北部地震などでは断層近傍において上盤と下盤で構造物の被害や加速度応答に大きな違いがあることが報告されています.これまで地震による地盤の振動に関してはよく研究されていますが,地表面断層に極めて近い場所における振動および地盤の変形に関する研究はまれです.過去の研究では断層運動をジャッキで地盤を持ち上げることで模擬した等速場における地盤内の変形や地表面の変形に注目した研究がほとんどです.しかし,実際の地震は重力場において発生します.そこで本研究では断層運動を重力場において模擬する実験装置を開発して断層近傍における地表面加速度応答や地盤の変形を計測しました.実験で得られた加速度応答は集集地震や宮城県北部地震で報告された事例と同様な傾向になりました.

第四回目(主催者ワガママ企画)
7月5日(火)
  占部 正承 (清水教養教育センタ−)
  「夜空の星を眺めて発見する数学」
  〜 離散幾何学の話題から 〜

 福島県立富岡高校では『学ぶことの意味、未知のものとの出会いの楽しさ等を経験し、生涯「学び」の姿勢を持ち続ける人間形成』を目的とした「富岡高校学びの日」を開催します。私はそこで、高校生を対象とした数学の授業をするのですが、その内容を皆さんに一度お話してみようかな?っと思いつきました。予備知識をほとんど必要としない内容で、最先端の数学をお話してみようと思いますので、興味のある学生・院生諸君は、ぜひご参加ください。
 内容はタイトルでもお気づきかと思いますが、キャンパスガイドにある私のメッセ−ジを具体的に説明します。

第五回目
10月4日(火)
  中本加奈さん (海洋資源学科 M2)
  Webを用いた地形図作成システムの開発
  〜地形図作成ホームページの作成と公開について〜

 地理情報を扱う場合、地図情報はその基本となるものである。従来、コンピュータで地形図を作成する場合、数値データおよび地形図作成プログラムを用いるが、大量の数値データの扱いと、地形図作成に関する知識が必要であり、容易でない場合が少なくない。
 そこで本研究では、Webを用いて日本とその周辺海域の2D・3D地形図を作成することが可能なホームページを立ち上げたのでここに紹介する。これにより地形図作成の作業の効率化がはかられると思われる。

第六回目
10月18日(火)
  高橋洋平さん (水産学専攻・博士課程)
  光の中を伝わる音 〜植物プランクトンの遊泳音〜

 微小な粒子のブラウン運動を自己混合レーザで検出する方法を開発している。作動確認のため植物プランクトンを用い検出を試みた。ドップラシグナルを復調することにより、植物プランクトンの遊泳音をとらえることができ、種類によってその音が異なっている。当日は、その音を観賞したいと思います。

第七回目
11月15日(火)
  石田和也さん (海洋工学専攻・修士課程)
  海洋音響への誘い(いざない) 〜君の耳が2つ有る理由(わけ)〜

 音というのは、光よりも我々に身近な存在です。音は光よりも情報を多く持つ場合があるからです。生物によっては音(聴覚)を巧みに扱うことで生存を勝ち取った例もあります。今回の発表は、音の基本的な性質を理解してもらうために、簡単な実験を行いながら、海洋音響の舞台を紹介したいと思います。

第八回目
12月6日(火)
  吉田宏亮さん (海洋生物科学専攻・修士課程)
  海産性単細胞真正眼点藻Nannochloropsis oculata ST-3株におけるホルムアルデヒドの代謝に関する研究

 ホルムアルデヒドは有害物質であり、シックハウスの原因としても知られています。
 
このホルムアルデヒドが植物プランクトン(Nannochloropsis oculata ST-3株)により代謝され、別の物質に変化していることが分ってきました。今回は、ホルムアルデヒドの影響と代謝に関する実験結果について説明します。

第九回目(特別講演)
12月20日(火)
  富田裕之さん (海洋物理専攻)
  海の上の雨と蒸発のはなし

 みなさん、雨は好きですか? 天気予報で「明日は雨でしょう」なんて言われると、ちょっとがっかりする人も多いことでしょう。僕も雨はあまり好きではありません。しかし、雨は農業やその他の経済活動にも多くの影響を持つことが多く、人々の雨に対しての関心・重要性は大きいと言えるでしょう。ただし、これら雨への関心は主に陸上に降る雨に対して向けられる事が多い様に感じます。しかし、雨は何も陸上だけで降っているわけではありません。雨は広い海の上でもたくさん降っていて、地球規模の気候変動に対しては、海の上の雨の量や変動が重要である場合があります。また、陸上に降る雨を含めた地球上の雨の源は、地表面の70%以上を占める海から蒸発した水蒸気がほとんどなのです。そこで、本講演では海の上と雨と蒸発についてのお話を、なるべく簡単に、私の研究結果を含めてお話ししようと思います