総合教育部門
清水教養教育センター総合教育部門は、東海大学全学必修のコア科目である「現代文明論1」や、文理共通科目などの教養科目を運営しています。これらの科目を学習することで、さまざまな問題に対する幅広い視野と柔軟な思考力を養ってください。
授業科目
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人文科学(基礎教養科目)
人文科学は、人間や人間の生み出した精神的・文化的営みを対象とする学問である。思想・哲学・歴史、祭り、音楽、美術、文学等、これらは人間のあらゆる文化において不可欠な営みであり、多様にかつ複雑に蓄積されて、今日の私たちの世界を形作っている。人文科学は文字資料だけでなく、絵画資料・身体表現、等々のテクストを解釈することを通して、それまで「あたりまえ」のものとしてきた私たちの表現、もしくは私たちの世界を問い直し、その意味を発見する学問である。この授業では、まず人文科学と各分野の基本的な考え方を理解する。その上で各分野の学問が「いま」をどのように考えているかを考察することを通して、ひとりひとりがそれぞれの現実を生きるために、過去の蓄積を知り、現在のあり方を理解し、そして未来の可能性を模索することができるための基礎をつくることを目標とする。
社会科学(基礎教養科目)
社会科学は、「社会」を対象とする学問である。「社会」とは、複数の個人が集まって成り立つ関係のことを指すが、本講義では、その対象を「法・政治」「経済・経営」「社会・福祉」「心理・教育」に区別する。法学・政治学では、複数の人々が集まって社会を形成する過程で必要とされる秩序、制度、規範が問われる。経済学・経営学では、モノやサービスを消費、生産、分配する過程での人々の活動や企業のあり方が取り上げられる。社会学・社会福祉学では、人々が作る関係性そのもの、さらにそこで生じる格差や少子高齢化といった社会問題が論じられる。心理学・教育学では、個々人の行動や人間関係、望ましい発達のあり方や世代を超えた情報の伝達に焦点が当てられる。この授業では、各分野の基本的な知識を学ぶとともに、それにもとづいて、日常的、現代的なテーマについて考察することを目標とする。
自然科学(基礎教養科目)
自然科学は、自然界を「科学的方法」で理解する学問である。それは、まず自然現象を観測して関係性や規則を見つけ、そこから仮説を立て、この仮説に基づいて結果を予測し、最後に実験や観測によって予測が正しいかどうかを検証する。検証の際に、予測と異なる事実(反証)が見つかれば、その仮説は捨てられ、新しい仮説が模索される。私たちが学ぶ「法則」や「知識」は、このような長年にわたる手続きで作り上げられてきた。本授業では、この特性を念頭に置き、物理学、生物学、化学などの各分野の基本的な知識を学び、新たな面白さを体験するとともに、日常的、現代的なテーマについて考察できることを目標とする。
シティズンシップ(発展教養科目)
現代社会においては、思想信条、宗教、人種、民族、文化、性別、国籍等の異なる様々な人々が相互に関わりながら暮らしいる。この授業では、シティズンシップ(citizenship、市民性)という観点から、多様な人々が民主政治の担い手である市民として意見の相違を乗り越え、相互の人権を尊重しあえる社会を形成していくにはどうすればよいのかについて共に考えることを目標としている。
ボランティア(発展教養科目)
発展教養科目は、諸君が社会の構成員であることを自覚し、社会と関わろうとする自発的な意識を高め、公共に資する判断と行動の必要性を認識することにより、社会の持続的な発展に取り組もうとする人材を社会に送り出すことを目的に開講されている。本授業では、社会の様々な課題に対し、ボランティアという形でどのように対応し、解決に向けた取り組みが行われうるのかを、先行事例を参考にしながら創造的に考えていく。また、ボランティアに参加し、活動することを通して得られる学びについて考えることを目標としている。
地域理解(発展教養科目)
私たちは日々、ある地域で、様々なひと、もの、ことに支えられながら生活している。豊かな生活を営むためには、その基盤である地域を豊かに持続させていくことが必要である。地域で仲間をつくり、議論し、協同し、持続可能な地域を実現していくことが求められる。この授業では、自らが暮らす地域社会を見つめ、多様な人々の目線に立って、地域の課題を発見し、その解決について考え、地域づくりにおける自らの役割を認識することを目標としている。
現代文明論(2019年開講)
「現代文明論」は、「地球市民として未来を創造していく人材を育成する」ための、学園の建学の精神、教育理念を体現する、東海大学の教育の中核をなす授業科目である。
東海大学は、現実世界で遭遇する様々な課題に挑み、問題解決に向けて積極的に立ち向かう人材の育成を目指している。人間は長い歴史の中で対立や戦いを繰り返してきた。教育が果たす大切な使命は、それらを克服し、人々が互いの存在を認め合いながら平和に生きていけるようにするために、「調和のとれた文明社会の建設」に寄与できる人材を育成することにある。「現代文明論」は、こうした教育の使命を果たすべく、学生諸君に学ぶことの意義を伝え、「人生にとって大切なものは何か」「我々はいかに生きるべきか」を考えさせ、しっかりとしたものの見方、考え方を養うことを目的とする。
本科目は、「私たちを取り巻く地域社会の理解に向けて」「地域を超えた国際社会の理解に向けて」「地球環境を持続させるために」という3つのセクションから構成され、以下のような具体的な到達目標を設定している。
① 現代社会が直面する深刻な現実的諸問題を歴史的な視点から把握して本質的に理解し、自ら課題を見出すことができる。
② 現代社会が直面する深刻な現実的諸問題を、文系・理系の枠を越えた学際的・複眼的な思考と調査によっ て、国際・地域レベルで理解し、自ら問題解決に挑むことができる。
③ 教養ある現代市民として「物質文明と精神文明とが共に調和のとれた文明社会の建設」に寄与できる。
本科目の受講が、社会や世界の課題について真剣に考えるきっかけとなり、また社会に出て課題に直面したときに自ら考え解決するための礎となることを期待する。
教養科目相談室
教養科目相談室では、大学での学習全般について、学生のみなさんの相談を受け付けています。とくに新入生のみなさんは、履修登録など初めてでとまどうことも多いと思いますから、遠慮なく来室してください。
授業科目としては、すべての学科で履修する教養科目を担当していますが、それ以外にも、大学での勉強の仕方や、資料の探し方、レポートの書き方、発表の仕方など、さまざまな相談に応じています。下に担当者の研究室と研究分野を記しておきます。
須田(8221研究室、生物学)
瀧川(8229研究室、思想史)
教員紹介
須田 斎 教授
すだ ひとし
研究室 8221
私は老化と寿命の研究をしています。寿命は予測不可能である、老化は個性化の泉であるというのが、その結論です。このような科学的な結論に心理学的な思考法を加えて、より豊かな生のあり方を探求しています。
瀧川 郁久 准教授
たきがわ いくひさ
研究室 8229
専門は古代インド思想です。インドの思想は神秘的だと思われがちですが、本当はとても論理的です。現在は、仏教文献で認識の誤りがどのように分析されているか研究しています。人間はなぜ間違ってしまうのでしょう。
塩見 佳也 准教授
しおみ よしなり
研究室 8210
技術を実用化してゆく上で、個人の財産権・企業の営業の自由と行政的法規制との関係の調整が不可欠です。特に食品法規制と営業の自由について憲法学・行政法学の観点から、主にドイツの理論を参考に研究しています。